語り部シルヴァ

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『記憶の地図』

棚を掃除していると折りたたまれた紙がカサっと落ちてきた。
一瞬身に覚えなのないものだったが
持ち上げようと触れた瞬間記憶が蘇る。

紙を広げると自分ともう一人が書いた地図だった。
お気に入りのカフェや良く行くゲーセン。
お揃いの服を買いに行った洋服屋。

2人がどれだけ歳をとってもこの思い出を忘れないように。
そこで彩られた日々を色褪せないように...

今じゃなんの意味も無い紙切れだ。
躊躇したが紙をぐしゃぐしゃにして
ゴミ箱に捨てて掃除を続けた。

語り部シルヴァ

6/16/2025, 10:58:23 AM