川柳えむ

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 高い山に登った。
 疲れた。本当に疲れた。
 でも、登り切ったその先の、視界いっぱいに広がった世界が、あまりにも美しくて。疲れなんて忘れてしまった。
 青い空、見下ろした町。
 大きく息を吸い込んで、顔を上げ、空に向かって叫んだ。もちろん、山彦を期待して。

「やっほー!」

 すると、その呼びかけに応えるかのように、遠くの方から声が返ってきた。

「呼んだ?」


『空に向かって』

4/3/2025, 12:22:13 AM