『ふとした瞬間』
公園の陽だまりでのんびり空を見上げる。
どれだけ寝ても眠気を誘うこの陽気には抗えない。
そう思う反面、心のどっかで焦りを感じている。
作業服を着ている人、スーツを着ている人。
そんな人たちを見ていると
「何をやっているんだ俺は」と思ってしまう。
それだけじゃない。のんびりしていたりとか
二度寝をしていたりとかそんな些細なことでも
「仕事をしないと」と思ってしまう。
視界の隅が暗くなってどんどん狭くなっていく。
動悸や息が荒くなる...
「また焦ってる。大丈夫だよ。」
ぽんと肩に手を置かれて視界がリセットされる。
視界を向けると優しい笑顔の君が
僕の背中を撫でてくれていた。
「大丈夫大丈夫。今は休む期間だよ。」
その言葉にどれだけ救われてきただろう。
そんな有難みを感じつつも、
やっぱり心のどっかで焦りは募るばかりだった。
語り部シルヴァ
4/27/2025, 10:31:28 AM