外に出る。
これ以上家にいたくない。離婚や受験の話ばかりしている親の居る家になんて。
一体何時間口論するのか。夕方からずっと怒号が聞こえながら勉強を強いられるこちらの身にもなってほしい。
離婚するんだろうか。したら私は、お母さんの方に行くことになるだろうな。
そうしたら、引っ越すのか。今の学校にいる大好きな先生も、大切な友達も、手放さなければならなくなる。
近くの公園に入り、ブランコに腰掛ける。
…こんなに、小さかったっけ。
もし全てとおさらばすることになったら、私は生きていけるかな。
小言のうるさいお母さん。私の都合なんて考えずに、塾や勉強を強制してくるお母さん。
それは、お父さんも同じで。
空を見上げる。
絶望的な状況の中、瞬く月と星があまりにも美しくて。
似合わないほどにうっとりと、息をつく。
数分、ぼうっと真っ暗な空を見ていた。
その日はー、
私が生きてきた人生で、一番美しい真夜中だった。
5/17/2024, 10:35:32 AM