君の目を見つめると、操られてしまう(かもしれない)ので、
そっと目をそらす。
誰も気づいていないけれど(ぼくの氣のせいかもしれないけど)、君が微笑みかけた人はみんな君の思うままに動くみたいだ。
君が、誰もが憧れてしまうくらい綺麗なひとだから…?
最初はそう思っていたけれど……
みんな君のために、生きている…みたいなことになっていく………?
いまいち確信は持てない。
ささやかなことなんだ。
暗い影を引きずっていたはずのひとが、君がいちばん好きな花を教室に飾る…
よけいなひとことで孤立していたひとが、君のたしなめる微笑みに恥ずかしそうに微笑み返す…
蛇蝎の如く嫌われてた先生が、いつのまにか君が見つめると自分にちょっとストップかけて、言葉を選ぶみたいに口籠る…
良いことだよね。そう思うよ。
でもぼくは、ぼくが操られるのは嫌なんだ。
自由でいたいからとか、君が氣にくわないとか、あるいは君が好きだから…なんてことじゃない。
全然、ない。…もっとずっと切実な、命にかかわる感じだ。
もう、ただ、嫌だ。
理由もなく嫌だ。
どうしてもだ。何でかわからないけど嫌なんだ。
そして、(多分)そう思われてるのを君は気づいている。
どうしようかな?放っといてもいいんだけど…って思ってる。
もしかしたら君は本当にいい人で、ただ、自分が生きやすいように教室を「整えて」いるだけなのかもしれない。
でもさ…ぼくは「整え」られたくないんだ。
ああそうか…。ぼくは「整え」られたくないんだ。
花を剪定するひとと、自然に繁茂する植物みたいなものかな…?
ぼくの勘違いかもしれないレーダーが今日の気づきを経て、新たに囁きかけて来る。
目をあわせたら、剪定される。綺麗にされる。
だってこの教室でぼくがいちばん、本当は、はみ出した、暗闇みたいな陰火みたいな、心を持ってるんだから………
まだ君には気づかれていない(と思う)けれど…。
4/6/2024, 10:50:34 AM