ノイズ

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おやすみ、また明日とメール打つと可愛いうさぎのおやすみ!というスタンプが返ってきた。何とも愛くるしいスタンプ。明日は念願の初デートだ。朝起きるアラームはセットしたし、明日着て行く服も決めてる。あとは寝るだけだ。なのになぜ寝れない。寝た方がいい、明日のために身体を休めたい。だが寝れない。豆電球もつけず部屋も真っ暗にしている。何も邪魔するものはない。だが寝れない。そうこうしてるうちに布団が暑苦しくなってきた。寒くなってきたので冬用のモフモフ布団に変えたのだが間違っていたのか。いまさらになって後悔する。彼女は寝てるのだろうか、メールしたい、電話して確かめたい。でももう寝てしまっていたら、ウトウトして寝るところだったら起こすのが申し訳ないと思い、苦渋の決断で断念した。一回水でも飲みに行くか。布団を蹴飛ばして立ち上がり部屋を出た。キッチンで水を入れて一気に飲み干した。一息つきコップを置いた。これで寝れるはずと思い寝室にも戻っていたら洗面所に灯りがついていた。電気を消すついでに鏡で自分の顔を確認した。大丈夫…なはず自信を持て自分、明日は一番俺がかっこいい。うんうんと頷いてみる。すると横でピーという音がした。見てみると洗濯機が止まる音だった。そういえば明日はデートの準備で忙しくなるから洗濯ができない。今しないといけない。嫌なことに気づいてしまったと後悔するが仕方なく洗濯を干すことにした。洗濯を全部干し終えた時には瞼が重くなっていた。夜中にしてはハードな仕事だったがこれでようやく寝れるだろう。やっとの思いでベッドに横になると電話が鳴る音がした。まさか彼女が寝れなくて電話してきたのか、スマホを手に取ってみると彼女ではなく友達からだった。なんだと舌打ちしたあと電話に出た。

「ちょっと聞いてくれよ」
少し声が震えていた。嫌な予感がする。

「また彼女にフラれたんだよ、慰めてくれー」

今夜は長くなりそうだ。

12/5/2024, 2:13:59 PM