最近彼が香水をつけ始めた。別に嫌いな匂いという訳では無いけれど、抱きついた時ふわりと甘い香りがするのに違和感がある。
「最近こーすいつけたの?」
「ん?あぁ」
「何の匂い?」
「……シャンプー、らしいけど」
「何その可愛い女子みたいな香水」
「お前偏見すご」
いつも通りのほほんとしたやり取りが続く。彼の心地よい声を聞いていたらふわふわ眠くなってきて、コテンと彼の膝上に寝っ転がった。と、香る匂い。
「……なんか、違和感ある」
「臭い?」
「臭くは無いけど……んー……」
「止めよか?香水」
「……うん、まんまの匂いが好き」
「分かった」
典型的なイチャイチャ。だけどこの時間が嬉しかったりする。彼の顔を見ながら話していたら、眠気に逆らえなくてゆっくり目を閉じた。
香水が元カノからのプレゼントなんて自分が知る由もない。
『香水』
8/30/2024, 10:18:25 AM