この国には古くから言い伝えがある
遥か昔、白銀の髪、紫色の澄んだ瞳
今で言うアルビノの少年が産まれた
彼が笑うと空は晴れ
彼が泣くと空も泣き
怒ると雷が落ちた
少年は神に愛された子供ととして
この上なく愛された
そんな少年は18の時に死んでしまったのだ
雨は降り続き、民は嘆き苦しんだ
それからその国では雨は止むことを知らず
晴れはどこか遠くへ消えてしまった
「今日も空が泣いている」
『雨しか降らなくなった国』
1/13/2025, 11:12:22 AM