胸の鼓動
昼食が終わってから2分後
その手はケーキへと向かう
なんて正直な手なの
その素早さに思わず驚き
戸惑い、本当にいいのかと
その手に尋ねる
聞いているのかいないのか
その手はぶれずに進める
なんていけないことを
そう思うも束の間
口へと運ぶ手に逆らえない
甘味に支配される感覚
戸惑いや否定的な
気持ちは取り払われる
罪悪感をわかって胸はときめく
なんて美味しいのだろう
さっきの食事は遠い昔の話
この美味しさで
今日も頑張れるから
起こしてしまった結果から
新たな意味を見いだすのは得意だ
先ほどの後ろめたさなど
まるでなかったかのように
この胸の鼓動は
早くも夕食へと向かっている
9/8/2023, 9:51:16 PM