茶茶葉

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 隣の席の小林君は他人に冷たい。自分の仕事を黙々とこなすけど、気配りはしない。
「小林君、これお願い」
「すいません、今無理っス」
「マージか…あー、じゃあごめん、木下さん。この仕事頼めるかな」
「(まだやる事あるけど…仕方ないか…)分かりました」
「ありがとう」
請け負ったのはいいけど…まだいっぱい仕事あるんだけどな…。ため息混じりに仕事をこなす。
いつもこうだ。小林君が振った仕事が私に回ってくる。
…ちょっと疲れたな。ココア買ってリフレッシュしよ!

「はぁー…甘ぁい。しあわせ。よし、がんばろっ!」
座席に戻るとさっき請け負った仕事の書類がない。あれっ、え、何で?無くならない様にクリアファイルに入れてあったのに…
「木下さん」
「え、あ、はい!って小林君か。どうしたの?」
「さっきの仕事、俺やるんで」
「え、でも…」
「いいんで」
「あ…ありがと、う」

その後一言も話さなかったが、彼なりの優しさを垣間見た


「優しさ」

1/27/2023, 12:54:50 PM