川瀬りん

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『紅茶の香り』



君は言った。


「紅茶の香りがするハンドクリームが色々あるけど、やっぱり私はブラックティーが一番いいな」


と。
君がよく手に塗っていたブラックティーの香りがするハンドクリームのせいで、僕はストレート紅茶が嫌いになった。
紅茶の香りを嗅ぐたびに君を思い出し、あの頃の思い出が蘇る。
最後に別れた悲しい瞬間も思い出す。

君のせいだ。
君のせいで、僕の人生にいつまでもいつまでも君がいる。
僕だけあの頃から抜け出せない、君の人生に僕はいない。

紅茶香りが憎い。
君が憎い。
嫌いだ。君が嫌いだ。





創作 2023/10/27
(別に紅茶の香りでなくてもいいのだけど。においの記憶を書きたかった。ちなみに私はストレート紅茶大好きです。)

10/27/2023, 12:19:18 PM