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「ぼく達は一生友達だよ!」

小学4年生の時、幼馴染とタイムカプセルを埋めた。
幼馴染の家の庭に、お菓子の缶に写真や宝物を詰めて。
当時は鼻垂れ小僧だった俺も「オマエはオレの一番の友達だ!」なんて純粋無垢に小学生を満喫していた。

その幼馴染はタイムカプセルを埋めた数ヶ月後に転校してしまった。

両親に理由を聞いた時、最初は「親の仕事の関係で引越さなければならなくなった」「いつか戻ってきてくれる」と教えてくれていた。
俺はそれを信じ、あいつが帰ってくる事を夢見ていた。
しかし実際は「借金を母親に押し付けて父親が蒸発、泣く泣く家を手放す事になった」と、俺が中学生の時に真実を打ち明けたのだ。思考が幼稚な俺が成長するまで、隠し通してくれたのだろう。


「僕のこと、忘れないでね!」

服がびしょびしょになるくらい泣きじゃくりながら別れを告げた幼馴染が頭をよぎる。
忘れるわけないのに、忘れたくないのに、時間というのは酷なもので歳を重ねるごとに記憶の中の幼馴染の顔はぼやけていった。


そして今、現役大学生となった俺はふと幼馴染の家があった場所に目を向ける。
今はもう新しい家が建ち、そこには若い夫婦とその子供が住んでいる。

タイムカプセルはまだ埋まってるだろうか。
もうすでに掘り起こされてしまっただろうか。
他の人の所有地となってしまった今、タイムカプセルの所在はもう確認できない。
お願いすれば庭を掘り起こす事を許可してくれるかもしれないけど、その選択は俺には出来なかった。

だってあのタイムカプセルは、あいつと一緒に掘るって決めたんだから。
あのお菓子の缶がある限り、俺達の絆は解けないって信じてるから。

だって俺ら、これからも一生友達だろ?

3/6/2026, 11:07:30 PM