私の高校の先輩は
フルーティーな香りの香水が似合う人だった。
ベビーフェイスで
明るくて笑顔で接し、思いやりがあって
誰とでもすぐに打ち解ける、
そんな人の鑑みたいな人。
私も先輩のようになりたくて必死だった。
でも、どんなに頑張っても
彼女のようにはなれなかった。
誰にでも向き不向きがあるように
人の性格って変えられないと
なんとなく思った。
そんな時、私はその先輩に相談した。
「どうしたら、先輩みたいになれますか?」
答えは一つだった。
「あなたにしか似合わない香水があるの。
その香水さえ見つけられれば、
きっとあなたは『自分らしさ』を見つけられる。
あなたにはあなたの良さがある。
それを忘れないで」
その日からさまざまな香水をテスターで試して
金木犀のような甘い懐かしい香りの香水を選んだ。
8/31/2024, 12:02:24 AM