ペン型のライトを構えて
パパの瞼を優しく、でも強引に持ち上げる
光を瞬間的に2~3度当てる
左目から手を放して手のひらで目の上から下へと動かす
右目にもライトを当ててから睡眠術のように手のひらを覆う
ママは私が電話を受けたときからおかしくなっていた
パパが危険な状態にあると知らせてくれたのは看護師さんだった
たまたま居合わせたのか、
ママと話が通じないから呼ばれたのか、
電話の看護師さんが誰なのか、
今のところ何もわかっていない
わかっているのは、
パパが緊急手術を受けたこと
術後2時間も経たずにアラートが鳴ったこと
そして、医師に頭を下げられたこと
ママは隣で奇声を発しながら泣いている
号泣というより、爆泣って感じ
私はなぜか冷静だった
状況を把握できる
でも、悲しみも涙もなにひとつ感じない
父に近づく
倒れたと聞いたわりには静かな眠りだった
そっと顔に触れる
今にも起きてきそうなのに、硬さしか感じない
目袋をそっと親指でおさえてそのまま下に動かす
普段見れなかった綺麗な瞳が半分覗けただけだった
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3/15/2026, 12:08:07 AM