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明日に向かって歩く、でも

明日に向かって歩く その事に何の
疑いも持たず 私は、一日一日を
前向きに今まで生きてきた。

でも、ある日突然その生き方があっけなく
壊された。

それは、前触れも何も無い悪意と呼ばれる
物だった。

嘲笑 蔑み 軽視 差別 誹謗中傷

それらの悪感情が 私の心に一気に浴びせ
られた。

私は、いつしか明日を信じられなくなった

苦しくて 悲しくて だけど誰かに助けを
求めるのも怖くて....

気付いたら 私は、無意識に赤信号の
道路に体を進ませていた。

大きなブレーキの音が響いた様な気がした
けど 私の耳はその音をはっきりとは
知覚出来なかった....

しかし私の体は、大きな機体にぶつかる
前に体が傾いて持ち上げられた。

気付くと私は、誰かの腕の中だった

「大丈夫かい?」ほっそりとした痩身の
男の人が自分の腕の中にいる私に呼びかけた。

私は、その男の人の『大丈夫かい?』と言う何気ない言葉にホロリと涙を零していた

私は、その男の人の言葉に安堵して涙を
零しているのか それとも余計な事をして
くれたこの男の人に八つ当たりの様な
憤りを感じているのかどっちの心で
私は、涙を零しているのか 私は、最初
分からなかった....

だけど私は、涙を自覚してしまった自分を
止める事は、出来ず また自覚してしまったので嗚咽を我慢出来ず

気付いた時には、私は、その見ず知らずの
男の人の腕の中で思いっ切り大声で
赤ん坊みたいに泣いていた。




それから数日が経った....
私は、少しずつだが また前みたいに
明日を信じて生きてみようと思える様に
なっていった。

もちろん前みたいに強く自信を持って生きて行こうとは、思えない 自信は、無い....

害される前の自分には、もう戻れ無いのだから....

でも.... もう私は、一人じゃ無い
一人ぼっちじゃない....
私は、自分の隣を見つめる そこには、
穏やかに私を見つめ笑ってくれる貴方がいた。

私は、隣人の手をそっと握る
隣人も返事の様に私の手を強く握り
返した....。

1/21/2025, 1:42:44 AM