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自分の足元に過去の出来事が散らばっていて
思い出したくもないそれと強制的に目があって
そしたら最後、足元に穴が空いてあっという間に
心の底の泥濘まで引き摺り込まれていく
そんな陰鬱な日がある
今日がそれだった

君の家は潔白で綺麗に整っていて
絵に描いたような幸福で
僕の家とは真逆のようで
だからこそ我儘は言わない
君の手は引かない 引けない

僕の過去は僕が捨てるよ
色んな人から押し付けられて
埋められたくだらない過去と一緒に
人から押し付けられた過去というものは苦しい
それは誰より僕が知っているから
ああ、だけど一人で抱え込むには臭くて 重くて
うっかり誰かに渡してしまいそうになる
君は質問をするけれど
君には渡さない 渡したい 渡したいけど
渡せない 渡しちゃいけない
泥濘の中でそんな事を考える
半身埋まった僕が僕を見て笑っていた

4/23/2024, 3:11:58 PM