突然の君の訪問。
「みんな今日も来てくれてありがとう〜」
画面の向こうで、推しが私たちに呼びかけている。
推しの楽しそうな、リラックスしたような声と一緒に聞こえるのは、グラスと氷のぶつかる音。今夜の配信は、私たちリスナーと呑んでくれるのだ。
私も缶チューハイを用意して…、推しと乾杯!
「乾杯も終わったところで、聞いてほしいことがあるんだけど…」
グラスを傾けながら、推しが生き生きと話し始める。
同じグループのメンバーさんと、猫カフェに行った話。顔出しはしていないから声だけだけど、本当に楽しそうで嬉しそう。猫さんにこんなにデレデレしちゃうなんて、可愛いなぁっ!もう!
呑み配信も中盤という頃。推しの家のチャイムが鳴った。
「あれ、誰だろ。こんな時間に…」
推しは不思議そうにそう言いつつも、ちょっとごめんね、と残して玄関へ向かう。
コメ欄も、「誰?」とか、「夜だよ?ヤバくない?」といった声で溢れてる。私も「大丈夫?」とコメントして推しの帰りを待つ。
しばらくすると、推しのやたらハイテンションな声が画面から聞こえた。
「みんな!やばいよ!ちょっと…、俺もなにが起こったかわかってないけど!」
この推しの声の向こうで、別の人の声がする。
この人って、まさか…。
「やほ!みんな俺だよ!楽しそうだから…、来てしまいました!」
やっぱり!推しと同じグループの、一緒に猫カフェ行ってた彼だよ!
やばい、これは嬉しすぎるって!
8/28/2023, 1:46:15 PM