「好きです」
いきなり告白されたんだ。
「今、なんて?」
「…もう言わない」
「もう一回!」
「むーりー」
笑った顔が星で照らされている。
「可愛い」
「へっ」
「もう言わない」
「……」
「お返し」
初めて会った日、君の横顔に恋をした。
「もう一回言ってくれたら俺も言う」
「……す…」
「す?」
「好き、です…」
「可愛い、照れちゃうなぁ」
「……嘘、照れてないでしょ?」
「照れてるよ」
「そういうの良いよ」
「どういう意味?」
暗くてよく見えなかったが、泣いているように見えたんだ。
「…泣いてる?」
「泣いてない」
「声震えてる」
「………付き合ってるんでしょ?私の友達と」
「友達…山田(やまだ)ちゃんの事?付き合ってなんかないよ」
「噂は?」
「なんの事?その噂のことは分かんないけど、少なくともお前からの告白は嬉しかったけど」
「返事、してくれるの?」
「何その質問、当たり前じゃん?俺もお前の事好きだったし」
「そっ」
「まさか、お前から言われるとは思っていなかったけど」
「それって」
「付き合う?」
「うん」
「泣くなって…」
「星、綺麗だね」
「あぁ、親父喜んでるかな」
「……喜んでるよ」
「今度、親父の墓参りくる?」
「行くよ」
その日は本当に星が綺麗で、きっと、親父も見てると思う。
「このまま付き合って、結婚することになったら、ここで結婚したいな」
「そうだね、ここで結婚しよう」
「気が早いな」
「言い出しっぺに言われたくないですぅー」
笑ってしまった。
でも、本当に…。
「えっ!?寝たの?もー」
「寝てない」
こいつと幸せになれたらいいな。
ー星空の下でー
4/5/2024, 10:51:43 AM