君が居なくなった。
風は冷たいのに、まだ汗ばむような秋の夜。
私達は2つに戻った。
暑がりな彼を知っていたから、私はいつも冷房をつけて帰りを待った。それなのに、彼が最後に言った言葉は、
「この部屋は、いつも少し肌寒かった。」って。
帰ってくるなり、
「別れよう。」
なんて言われたときには、身震いした。
私が部屋の寒さを知ったのは、それが初めてだ。
君の背中に触れながら寝た夜。
指先に感じる熱は、君を暖めているものだと思っていた。
本当は、君から奪っていたのかもしれないのに。
この涙は、流れてはいけない。
君を知らず、知ろうとせず、奪い、傷つけていた。
私の罪は、後悔や絶望の涙を許してはくれない。
だから、この涙に理由などない。
喜劇であれ。
この別れが、貴方の人生の喜劇であれ。
9/27/2025, 12:55:35 PM