ええ〜!すっごくきれいな色だね
これだとすぐに見つけられるよ〜
朝のHR前に教室ドアの方でみんなが騒いでいた。色とりどりな人達の発光色と混じって、隙間から黄色の光が漏れ出ている。
おはよと群がる人をかき分けてこちらへやってきた。黄金色に包まれた幼なじみは私を見てうっすら笑みを浮かべている。
私今朝、やっと発光した
おめでとう 皆より遅れて柄にもなく不安がってたしね
柄にもなくって言うな
彼女は不満げながらも少し嬉しそうだ。
彼女の色は原色の中でも珍しく、鮮やかでさっぱりとしている。かくいう私は暗色だ。喜ぶ彼女と裏腹に、私は嬉しくなかった。むしろ私は、前から彼女を明るい色にしないでと願っていた。
どうした?色がいつもより濃いよ
まゆ根を寄せて覗き込んでくる。
私は彼女と並べない。どうしても彼女の光が私の色を誇張する。私の感情と比例して深くなるこの色も好きじゃない。
あんたまだ自分の色好きじゃないの?自信持ちって
彼女はいつも私を励ましてくれる。でも今は無理だ。嫉妬に駆られて余計なことを言い出しそう。
...あんたは嫌いでもさ、私は好きよこの色
いいじゃん、 紺碧 宇宙の色だ
私の色に自分の色を重ねて言った。
私と目が合うと全部を包む色だよと言う。
満面の笑顔で、私の色を讃えながら。
.太陽のような
2/23/2024, 9:58:02 AM