絵を描くのが嫌いだった。
いつになっても上手くならない自分の絵を見ると虚しくなってた。
でも、いつからだっけ、絵を描く事が好きになったのは。
そうだ、貴方に会ってからだ。
私が会ってきた人の中で一番絵が上手かった。
これに加えてすごい優しくて、親身になってくれる人だった。
そんな貴方を最初は妬んでた。
でも、貴方と話していく中で妬みが無くなっていった。
その代わりに芽生えた感情が『憧れ』だった。
それから私は貴方のようになりたくて、必死に絵を描いた。
絵の本を何冊も買って勉強した。
それを家族は笑ってた。
「上手くない」だの「私の方が上手く描ける」だの、何回も言われた。
でも私は、私は諦められなかった。
貴方に認められたい、貴方のようになりたいから。
それから自分でも分かるくらい、絵が上手くなった。
あぁ、そうだ。
嫌いなものを好きにさせたのは貴方だった。
私に新しい景色、絵を描く楽しさを教えてくれたのは貴方だった。
──絵だけじゃない。
色んな事を貴方は教えてくれた。
だから、私は色んな事が好きになった。
始まりはいつも貴方だった。
そこまで、手を引っ張ってくれたのも貴方だった。
私は、貴方がいるから色んな事を知っている。
貴方がいなかったらどうだっただろう。
……考えたくもない。
私に色んな事を教えてくれて、光をくれた貴方にお礼を言いたいけど
面と向かって言うのは恥ずかしいからここで言わせてもらうね。
色んなことを教えてくれてありがとう。
私、毎日楽しいよ。
これからも色んな事を教えてもらうと思うけど
その時はよろしく。私も出来ることはするよ。
だから、ずっと一緒にいてね。
約束だよ。
─始まりはいつも─
10/20/2023, 2:20:03 PM