かたいなか

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「大君(おおきみ)を探して、佐藤君を探して、姉君を探して。まぁ色々あるわな」
これで何度目の「君」だろう。某所在住物書きは過去投稿分のお題を確認しながらぽつり、ぽつり。
「君の奏でる音楽」、「君と出逢って」、「大好きな君に」。「君」を探してみればこれで、5個以上は君ネタを書いている。

ところで買っておいたポテチはどこ行った?

「君、きみ、ぎみ、くん。……んんん」
ポテチ、ぽてち。君を探して、ハナシの執筆が進まない。物書きはいつ、10時頃に食った「アレ」が最後の1袋であったと気づくだろう?

――――――

メガネ装備の物書きですので、時折、一時的行方不明のメガネを探すのです。
メガネさん、メガネさん。君を探して物書きが、こっちを見てあっちを見て、面倒くさくなったあたりで君を見つけるのです。
というハナシは置いといて、今回のおはなしのはじまり、はじまり。

最近最近のおはなしです。都内某所のおはなしです。
森の中に隠れた静かな場所に、不思議な不思議な和洋折衷モダン建築が建っており、
そこは「ここ」ではないどこか、別の世界に本拠地を置く厨二ふぁんたじー組織の難民支援拠点。
通称を、「領事館」といいます。

難民といっても、この世界の難民ではありません。
世界が滅んでしまって故郷が無くなった異世界の難民たちを、東京に「密航」のカタチで避難させ、
そして、都民と仲良くできるよう、都民に迷惑かけないよう、色々サポートする拠点なのです。

前回投稿分に登場した「世界線管理局」と違って、
今回投稿分の組織の名前は「世界多様性機構」。
管理局は膨大な資材と財力で、いろんな世界の独自性・独立性を守っていますが、
「領事館」を抱える多様性機構にはお金がない!
あっちを節約、こっちを削減、そっちを我慢してもらいながら、世界ファーストでお仕事です。

で、そんなジリ貧組織と「君を探して」が、どう繋がるのか。お題回収パートを見てみましょう。

「くそぉぉぉ!探せ!どこいった?!」
その日の領事館はドタドタ、ばたばた!
トップの館長さんが、あっちこっち、そっちどっち、館内を歩き回っておりました。
「見つかったか」 「いいえ、館長」
「そっちは」 「ありません」

何を探しておるかといいますと、館長のナケナシのボーナスで自腹導入した、四捨五入20万の高性能空気清浄機なのです。
そいつを異世界の不思議アイテムでもって、掃除ロボット・ルン◯゛にドッキングしまして、
ウィンウィン、うぃんうぃん、領事館内のスギ花粉をサーチ&デストロイするよう、改造したのです。

なにを隠そう、領事館の館長は、この世界の領事館に赴任した翌年から重度のスギ花粉症!
毎年機構の偉い人に、業務用の空気清浄機導入を要請していますが、なにせトップは「こっち」の世界の住民じゃないので、スギ花粉症を知らぬのです。

それで館長、自腹の◯◯万でもってル◯バと空気清浄機を買ってきて、自分で花粉を撲滅してくれる最終兵器を作ったのですが、
ウィンウィン、うぃんうぃん、
心地良い稼働音を奏でて、あっちの部屋、そっちの部屋、効率よく領事館内を移動して、花粉を除去していったと思ったら、
数時間後、おやおや、肝心の◯ンバはどこへ?!

「外には出てません!」
領事館の新人が、頑張って館外の杉林を走り回りましたが、どうやらそっちに館長の自腹約20万は居なかった様子。つまり、館内には居るのです。
「私、向こう探してきますッ」

ああ、あぁ。館長の約20万。
館長のナケナシの約20万。
自分で動いて花粉を除去する君を探して、いま領事館は上から下へ、手前から奥への大捜索です。
スギ花粉症持ちの館長さんの期待を背負った君を探して、いま領事館は大騒動です。

「どこだ俺の20万ー!!」

最終的に、魔改造された花粉自動除去装置は、
ルン◯゛のダストボックスを花粉とハウスダストとホコリと花粉と花粉でパンッパンにして、
ガァーガァー、ぐぁーぐぁー! 館長執務室でひっくり返って、動けなくなっておったとさ。

3/15/2025, 5:50:22 AM