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私は金平糖が好きだった。
味というよりも、その存在感が好きだと言うべきだろうか。漠然とその親しみやすさが好きだった。
子供の頃、金平糖の綺麗さに目を奪われていると、いつの間にか母には金平糖が大好物だと思われていたらしく、毎週末の買い出しついでに、金平糖が入った小さな小さな小瓶を買い与えられていた。今週は白と水色、今週は白と紫色。というように、まばらに与えられた金平糖の色が変わっていった。
小さな私は、その色付きの金平糖と、必ず入っていた白い金平糖を1個ずつ残して、別の小瓶に詰めていった。
次第に鮮やかに重なる金平糖、まるで極小の瓶の中に果てのなく広大な宇宙を閉じ込めてしまったかのようで、瓶のかさが増す度に、自己満足という名の私の心が満たされていく。

宇宙と私が逆さまになったようだ。手元に収まるサイズになってしまった宇宙の広大さが、愛おしくて堪らない。


(2023/03/16 お題:星が溢れる)

3/15/2023, 5:09:08 PM