題 風に乗って
フワリ
風に流されてどんどん浮かんでいく
地面がだんだん小さくなって僕の身体はいともたやすく上へ上へと飛ばされる
爽やかな風が全身を覆って
雲の彼方へと吹き付ける
その勢いに逆らわず僕は眼下を見下ろしながらくるくると回転する地上を見ていた
どこもかしこもステキに見える
僕の瞳にはキラキラと光る町が
草が、花が、雨の水滴が淡い輝きを放って
歓迎の色を浮かべているように見える
どこへいこうか
どこへでもいけそうだ
どこへ降りようか
どこへ降りてもきっと僕の人生は約束される
僕は風の勢いとともに
速度を落としていく
ゆっくり、ゆっくり、静かに落ちていく
フワフワした体が
降下を続けて・・・
ある場所に着地した
そこは花と草が生い茂る光こぼれる楽園のような場所
その場所に降り立つだけで幸福感が溢れる
やっぱりそうだ
やっぱり僕の人生は約束された
この花の楽園で
僕は幸せに生きていけるんだ
ある公園の片隅に
タンポポの綿毛が舞い降りた
地面に舞い降りた綿毛は
静かに根を張る準備をしている・・・
4/29/2024, 4:16:52 PM