『平穏な日常』
「映画行きませんか?」
休みの朝、少し遅くに起きた。
泊まりに来ていた夏目が、先に起きて朝食を準備してくれている。
目玉焼きやらが乗ったらプレートを俺の目の前に置きながら、今日の外出先の提案をしてきた。
「映画?
何か見たいのがあるのか?」
「この間、同窓会に行った時、映画の話が出て、面白かったって話聞いたので」
スマホの画面を見せてくる。
最近、よく宣伝のCMが流れているヤツだ。
でも、、、
「コレ、恋愛モノだろ?」
「だからですよ」
イスに座った夏目が、肘をついた手に顎を乗せて、口元に弧を描いて、こっちを見る。
「ね? 悠人さん。
行こうよ、デート」
肘をついてない方の手をこっちに伸ばしてくる。
親指で口元に触れた。
押しつぶすように唇をなぞる。
触れられたところが熱い。
「悠人さん、赤くなってかわいい」
「う、うるさい!!」
それしか返せない俺に、夏目は、、、司は、
大声で笑った。
3/12/2024, 10:09:22 AM