「はっ、はっ、先輩、待ってくださいよ」
「おいおい、もうへばっちゃったのか?シャッターチャンスはいつ、どこで、私たちを待ってるか分からないんぞ?」
「何また訳分からないこと言ってるんですか。」
「気にするな。行くぞ」
「はぁ、もう。それ先輩が言うことじゃないでしょ」
そう言って先輩はほかの人より大きく見える一眼レフのカメラを持って走り出した。小さく、細い体でカメラを持って駆け回る先輩は制服を着ていても高校生には見えない。
僕ら写真部2人だけだが、成績はいいほうだった。まぁ、ほとんど先輩の功績なんだけど。僕が入るまで写真部は先輩ただ1人だった。ただしくは、先輩が1年生の時は3年生が3人だけいたらしい。でも、その3年生たちはあまり活発に活動していた訳ではなく、先輩の情熱についていけなかったらしい。つまり、実質活動部員は先輩ただ1人だったのだ。では、なぜ廃部にならないのか。それはひとえに、先輩がただ優秀だからだ。どこか抜けてて、人を振り回す先輩だが、写真への情熱と技は他のついづいを許さない程で、1年生にして全国の写真コンクール、写真甲子園では金賞、2年生で2連覇と、他のついづいを許さない程である。
「ただ君だけ」
(途中です。)
5/13/2025, 2:41:15 AM