ネジが外れたウサギ

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青春時代をテキトーに過ごして来たせいか

今の俺はひとりぼっちだ。

誰かが作ったマニュアルを当たり前のようにやり過ごした。

そのマニュアルは王道の生き方だった。

友達を作ってみんなで遊んだり、時には傷つけあった。

好きな子ができて、初めてを経験して恋を知った。

そして必死になって勉強して、二度の受験を経験した


大学に入ってからも同じやり方を慣れた手つきで操作した、つもりだった。

中学や高校とは違って、

大学生にはやりたいことが無数に枝分かれしていた。

サークル、研究、アルバイト、夢への努力。

みんなそれぞれ自分のマニュアルを持っていた。

だから、俺はひとりぼっちだ。


そんな俺のため息を独自のマニュアルに変えてくれた人が現れた。

その人は、俺の知らない同級生だった。

その人は、俺をよく知る同級生だった。


同じ高校だった(らしい)のに、

俺に恋をしていたと言うのに、

俺は知らなかった彼女のこと。


目立つ華やかな雰囲気の花しか気づかず、

雑草に紛れた名の知れない花は見てなかった。


そんな彼女を俺は大切にしたい。

心から、そう思った。


やさぐれた大学生活に四葉のクローバーをくれた人が

彼女だったから。


俺のマニュアルは彼女のマニュアルでもある。

そう信じた俺は彼女と大学生活を謳歌した。


もう、俺は一人きりではなく、守るべき人がいる。

9/12/2025, 9:00:18 AM