天の川を渡る舟に少年は乗っていた。船底を擦る星屑のサァという音が舟の進みに合わせて聴こえる以外は、何とも静かな夜だった。少年は船から少し顔を出し、星屑をその小さな両手で掬い上げるとフゥと息を吹きかけた。サラサラと掌から溢れ出した星屑はたちまち、夜空に輝く星々に混ざって見えなくなった。きっと何億年後かにあのどれか1つになるのだろう。テーマ『星が溢れる』
3/15/2024, 9:55:18 PM