未知亜

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 短くした髪には、まわりじゅうみんな気付いてくれた。
「一気に切ったねえ」
「可愛い」
「短いのも似合ってるよ」
 とってつけたような誉め言葉が空々しい。私が髪を切った理由など、たぶんクラスメイト全員知ってる。予想通りの後悔と共に、私は返事をする。
「ずっと切りたかったんだー。さっぱりしたよー」
 曖昧に笑うクラスメイトの中で君と目が合う。
「寒くない?」
 すっかり友達の顔が尋ねる。

 寒いに決まってんだろ! 誰のせいだと思ってんだ大馬鹿野郎ッ!

 なんてことを叫ぶ代わりに、
「寒ーい」
 とおどけて、私は自席に着いた。


『寒さが身に染みて』

1/12/2026, 9:50:25 AM