私は鏡を見るのが好きである。何故なら自分の顔が好きだから。
素材がいいので化粧するのが楽しいし、逆に手抜きのノーメイクであっても「まあいいか、私もともと顔可愛いし」と思える。世の中には私より顔が可愛い人もたくさん存在するが、そういう人を見ても、素直に感動したり悔しい気持ちになったりした上で、しかしそんな憧れや嫉妬に捉われずにいられるくらいには私の顔は可愛いと思う。基本的に自己肯定感の低い私だが、顔だけは自信を持って可愛いと思えるので、精神衛生上非常にたすかっている。
さて、ここで皆さんは私のことを「自分の内面に自信がないのを埋めるために外見で人を見下している心の貧しい人間」だと思ったのではないだろうか。しかし、私の「これ」はもはや内面的な長所に通じる部分でもあると私は考える。どういうことかというと、「この顔に生まれてよかった」というより、「自分の顔に満足する力が強くてよかった」ということなのだ。外見の美醜なんて好みが大きく関わるものであるし、人間の本質ではないとしてタブー視されている部分でもあるので、「私のいいところは人より顔が可愛いところ」などと言っては顰蹙を買うだろうが、より正しいニュアンスとしては、「私のいいところは自分のポテンシャルに対してポジティブなところです」なのだ。これは十分内面的美点と言っていいのではないだろうか。
余談、こんな私だが、数年前心を病んでいた時分に、自分の存在を嫌うあまり鏡を割ったことがある。そこから順調に回復し、元来の鏡大好き人間に戻ることができてうれしく思う。
8/18/2024, 4:50:17 PM