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大事なものは、誰かに盗られないように、誰にも見つからない場所に隠すのが私の癖だ。

初めて彼氏ができたのは中学3年の夏だった。
明日から夏休みが始まる、浮足立った雰囲気の中、一人深刻そうな顔をして告白された。
「一ヶ月も顔を見れないなんて耐えられない」
すごく苦しそうな顔をしてるのに、悩んでるのは私にとって可愛らしいことで、そのギャップに思わず笑ってしまった。

そのお付き合いは、大学進学で遠距離になった時に自然消滅した。
いや、自然消滅というより、縁を切られたという印象が強い。
その頃には本当に大好きになっていたから、受け入れられなくて何度もLINEを送った。
既読すらつかなかったトークルームを、今でも削除できないままでいる。

そんな彼の話を数年ぶりに聞いた。
「当時お付き合いされていたんですよね? お話をお聞かせ願えますか?」
呆然とした頭に、眼の前の人が言った言葉が反響する。
「先日、山中で白骨遺体が発見されました」
見つからないように大事にしまったはずなのにな。

10/18/2023, 3:00:33 AM