想わねば本日
何をして、何を思ったのか。何を得て、何を失ったのか。どんなことを成して、どんな失敗をしたのか。昨日のぼくはどう生きたのだろうか。
ぼくは昨日を想う。朝に目を覚まして見た天井の染みから、寝る前に視界を横切った蝿の腹の模様まで、全部を想う。ひとつひとつを丁寧に、決して落とさないように。
そんなふうに想う間に、気づけば空は夕焼けに染まっている。橙は紺へと流れて、太陽は退き月に身を譲る。
はっと目が覚める。天井の染みが目に映る。私は慌てて昨日のことを思い出す。決して落とさないように、丁寧に。
10/7/2023, 8:27:00 AM