小絲さなこ

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「直球の言葉」



「俺の良いところって、なんだろう」

いつもギャーギャーうるさい彼が珍しく静かだと思ったら、どうやら何か悩んでいるようだ。

「いつも元気なところ」
「ううーん……そういうんじゃなくてさ」
「ストレートな言葉で人を褒めたり、素直に気持ちを言えるとこ」
「単に難しい言葉わかんねーだけだよ……」
「いやー、でも素直に気持ちを言うのって、なかなか出来ることじゃないと思うよ」
「嘘つくのめんどくせーだけだし」
「面倒だから、心にもないこと言う人もいるんだよ」
「なんだそれ」

彼の頭が、私の肩に押し付けられた。

「ごめん、今の俺、すげーめんどくさいヤツだよな」
「そんなことないよ」

子供の頃からの付き合いだから、何でも知っていると勘違いしそうになる。

甘えるような仕草も、弱音も、見せてくれたのは、幼馴染から関係が変わってからだった。
それが、とてつもなく嬉しい。



────ただひとりの君へ

1/20/2025, 8:37:07 AM