NoName

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霧雨の中 葉の上に溜まっていった雫が
一滴落ちた
傘の上で 音もなく降っている霧雨に
聞こえるはずのない 雫の音が聞こえた気がした
耳を塞いだ自分の周りは
静かに振られる 自然のものに溢れていて
しゃがみこんだ自分が
世界に取り残されているように感じた
綺麗な自然に
囲まれている自分が異様に汚く見えて
傘を投げ飛ばして 自然と一緒になりたいと願った
そんな自分も汚く見えた

4/21/2024, 10:13:12 AM