なんとなく、漠然と。
高校を出たら働いて、月に五〇万くらいもらえるものだと思っていた。
でも、高卒でそんな給料、夢のまた夢だ。
なんとなく、漠然と。
二十歳を過ぎたら恋人ができて、二〇代半ばくらいで結婚して子供を持つものだと思っていた。
でも、四〇を数年後に控えた今、子供どころか相手すらいない。
なんとなく、漠然と。
都会に行けば幸せになれると思っていた。田舎はクソで、都会は自由で華やかでなんでもあると。
でも、良いも悪いもあるのが世の常で、都会はなんでもあるけど何かが足りなかった。
もしも、高校生のあの時に。中学生に。もっと、小学生の頃に戻れるか、それとも声をかけてやれるなら、こう言いたい。
結局、どこにも理想の地はなくて、理想に近づく努力をし続けられた者だけが理想に手が届くのだと。
誰かが与えてくれるのを待っているだけでは、どこにいても、何をしても、理想のりの字も見えはしないのだ、と。
6/23/2024, 1:37:55 PM