サカナ

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「腹減ったな……なあ、コンビニ行こうぜ」
寝静まった町の外れ。誘いに釣られて親友は男と共に闇夜の道を歩いた。

今も眠たげな親友はふと夜空を見上げる。一面の黒にぽつんと月が淡く照らしていた。

「おーいどうした? やっぱ眠いか?」
男の問いかけに対し親友の反応は鈍かった。
「どうだ、そんなに眠いなら俺がおぶってやろうか?」
「……なんでそうなる」


無事夜食を確保した後、男の住まいに帰宅した。
空腹の男は食べるのに夢中になっていたが、親友は夜食に手をつけず何か吸い込まれたかのように窓の外を眺める。

天気を気にして空を見上げることはあるが夜空をじっくり見ることはそうない気がする――
不思議と今晩の月夜はきれいだった

3/7/2024, 2:36:03 PM