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右と左、と問いかける。
右と答えた君が顔を顰めるから笑った。
赤と青、と問いかける。
青と答えた君が手を叩くから笑った。
一と二、と問いかける。
一と答えた君が跳ねるから笑った。
昨日と明日、と問いかける。
明日と答えた君が悔しげで笑った。
君と私、と問いかける。
答えられない君に私は笑った。
答えた私に君は泣いた。
それだけのことだった。

‹好き嫌い›


向日葵が咲いていた。
揺れる大きな集密の種子、一瞥して通り過ぎる。
向日葵が咲いていた。
暑さに項垂れる首二つ、一つも見上げず通り過ぎる。
向日葵が咲いていた。
散水の蒸気に慄く緑、憐れみも無く通り過ぎる。
向日葵が咲いていた。
向日葵が咲いていた。
誰も居ない私の故郷に
沢山の向日葵が咲いていた。

‹街›

6/13/2024, 8:50:55 AM