青く深く
自分は要領がいいとよく言われる。
そりゃあ勉強も運動もそこそこ出来た。ついでに顔がいい。で、なんだかんだでホストになった。
真面目に働いたって良いがたいして勉強してきてないし運動で食ってくのは現実味がない。そんな稼げんならいっそホストがいいかと、ちょいと始めてみればこれがハマった
たちまちのうちにナンバーワンとはいかないけど着実に、
そうやって数年稼いであとは細々バイトでもして引退しようかと思ってた。名字に連なる人が1人増えた。
大切なものが増えて今までの倍稼がなくちゃいけなくなった。それは苦ではないが焦りを生んだのかもしれない。
「勿論、今日も〇〇ちゃんの為に開けてたんだ」
「そうだね、姫はこんな俺にこうやって会ってくれるよね。ほんとに優しいね」
媚びへつらってまた明日。
上辺だけでも転がる彼女たちに同情する。
毎日予定の詰まった日々、沢山のパートナーと言うなの姫たち。何でも完璧とは行かない。
大事な大事な一本のバラとを守っていかないといけなかったのに。
自分の体が宙に浮く感覚がある。目を開けるとそこには鮮やかな青い空。
体を包み込むのは青く深く冷淡な冷たい海。
姫が何か言っているのだろう声が聞こえる。
6/29/2025, 3:35:14 PM