月下の胡蝶

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お題《待ってて》




出せない手紙は灰になって空に舞う。


言の葉を綴っていた時あんなにふわふわした気持ちは、もうない。



彼は光だった。


教室の中で輝くあたたかい光。



夢見てた世界に少しでも近づきたくて、笑顔の綺麗な彼にはじめて手紙を書いた。――でも。彼の傍で笑う美人で明るい花村さんが隣にいるのを見たら、涙があふれて止まらなかったんだ。





ありったけの勇気をかき集めて書いた手紙でも、叶わない夢。




――またいつか。



手紙を書けたら、今度は渡せるかな。



2/13/2023, 11:06:33 AM