目が覚める、横を見る。
ここにはもう君はいない。
「…」
あの時どうすればよかったのだろうか。
ひきとめていれば…今頃君は俺の隣にいたのだろうか。
「いや、ちがうな」
そうじゃない。例えひきとめていたとして、
今の俺に何が出来ていたのか。
「…はあ、」
君がいなくなってから何度目の朝だろう。
時間は戻らない。
そんなの誰でも知っている。
でも…でも、だ。
始まりに戻れたらな、なんて考えが頭に浮かぶのは、
後悔、という文字が何度も俺の頭に流れてくるのは、
生きている限り逃れられないものなのだ。
今でもずっと後悔している。
あの時、止めていれば…君はまた笑ってくれていたのかもしれない。
君がいない時間を、俺はどう過ごせばいいのか、
教えてくれ。
同じ季節は来ないように、
ひと時の春に散っていった桜のような、
俺の最愛の人よ。
Write By 凪瀬
5/15/2024, 1:31:26 PM