藍橋

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「ねぇ、」
彼女は虚ろな目をして僕を見た。その表情は消えてしまいそうなぐらい儚く、寂しそうだ。
「なに」
僕は彼女の目を見て次の言葉を待った。
「貴方からの『好き』なんて言葉はもう求めたりしないから、」
「うん」
「ただ、その・・・」
「うん」
「貴方にちゃんと抱きしめて欲しかった、」
彼女は泣いていた。
ああ、僕はどこで間違えてしまったのだろう。
彼女は僕に背を向け、遠くへと消えていった。

<言葉はいらない、ただ・・・>

8/29/2024, 10:08:13 AM