カチャンと音をさせてエミリーは、テーブルにカップとソーサーを置いた。「ごめんなさい」顔を俯けて口の中で呟くように言った。身体がガタガタと慄えていた。
何でもないというよに私は頭を振った。
顔を上げたエミリーは青ざめて、何時もの陽気さは欠片もなかった。
エミリーはごくりと唾を飲み込み「昨日、教会の裏手を歩いていたの、その方が家に近いから、
ふと中庭に、目を向けたら、誰か男が二人殴り会っていたの…、
エミリーはお茶を一口飲み、話し続けた。「いいえ、一方的に殴られてたと思う」
「顔は見なかったの?」と私は訊ねた。
エミリーは怖い顔で「とんでも無い!!二人?に見つからないようにするのに必死だったのよ?!顔なんて見てないわ」
6/20/2023, 2:38:04 PM