「あの、私の目の色って何色…?」
毎日見ている君の顔。もちろん目もそのひとつ。
「うーん…宇宙みたいな色…。」
「ええ…そうじゃなく黒とか茶色とかで…。」
本当のことなんだけどな。深い宇宙の瞳。その奥には君が見てきたたくさんの物語。うれしいとき、たのしいときにはたくさんの星がきらめく宇宙。もうとにかくいろいろな色があるから何色とは言えない。宇宙色。
「…宇宙みたいな色か。」
「うん。俺のいちばん好きな色。」
「あの、私も。」
「そっか、同じだ。」
好きになったのは君の影響だ。君と出会う前は宇宙や惑星のことなんて少ししか知らなかった。地球と太陽と月と火星とかそのへん。
君のいちばん好きな海王星があんなにきれいなんだって一生知ることもなかっただろう。
君の瞳の中に俺の日常に溶け込んでやさしく寄り添ってくれる宇宙がある。
それが見たいから君を見つめるんだ。
…なんてな。これはただのこじつけ。
君を見つめるなんて日常になってしまったからちょっと格好つけてみた。
「…な、なに?」
「うん?かわいいなって。」
「……変なの…。」
いいじゃん。理由なんてなくても。
日常なんてそんなもんさ。
好きな色
日常
6/23/2024, 12:38:32 AM