終点。
ガタンゴトン
ガタンゴトン。
毎日、毎晩。
終電で帰る。
仕事は、8割終わったが
新しい仕事が増え、追いつきそうもない。
何時もではない、
だが、時折こうして、
先の見えない、地獄のような時期がある。
ガタンゴトン
ガタンゴトン。
周りを見渡せば
疲れたサラリーマンが1人
けばい女が1人
イヤホンをしたバンドマンが1人。
もし。
もし、この電車があの世への
片道列車なら、
少し嬉しい。
そう思ったあと、
直ぐに明日の段取りを考え始めていた。
ガタンゴトン
ガタンゴトン。
サラリーマンが横になった、
けばい女はスマホを見ていた、
バンドマンは足でリズムを取っている。
‥‥‥最後がこんな奴らと一緒だったら
それは、少し嫌だな。
明日は、少し高めのコーヒーを飲もう。
入社して最初の上司に
たまに奢ってもらったやつにしよう。
ガタンゴトン
ガタンゴトン。
私の、人生の終点は、いつだろう。
この電車のように、決まった道なんて無いから
逆に自由な分、不安も大きい。
サラリーマンは明日も仕事だろう、
けばい女はどうだろう?
バンドマンはコンビニバイトとかしてそうだ。
私は、明日も終電だろう。
次は、終点、終点。
取り敢えず、帰ったら風呂沸かそう、
買ってあったビールがあるはずだ。
明日も1日、頑張ろう。
その積み重ねの終点が、
何処にあろうとも、
やれることをやる。
それだけだ。
8/10/2024, 11:49:13 AM