「う〜さぶさぶ」
年明けが落ち着いた冬の日、冷たい風が吹いて手がかじかむ。手袋をもってくればよかったと軽く悔やみ、リードを引っ張る。リードの先にはお尻が可愛いコーギー。
この寒い中探索に夢中なようで道路をくんくん。電柱をくんくん。草むらを転がったりととても楽しそうだ。
就職してから夢だった犬を飼った。子どもの頃から犬を飼いたかったが、住んでいたマンションがペット禁止だったためずっと飼えなかった。ペットOKなマンションに一人暮らしできるようになってからペットショップにこのコーギーを迎えに行った。
名前はみかん。メス1歳だ。お迎えしてからオレの生活は一変した。何をするにもこの子が中心になった。この子を撫でるのも柔らかく、抱き上げると顔を舐めてくる。お尻は食パンのようで、気がついたら写真を撮っている。携帯の写真はこの子でいっぱいだ。
日課の散歩をしているが、やはり冬は冷たい風が堪える。
「ただいま〜」
みかんの足を洗い、体を拭いてやる。2人で暖房の効いた部屋に入り、こたつに潜る。
「あーーー。あったけー」
こたつのあたたかさが身に染みる。みかんはこたつから顔を出してオレの手を舐めた。あたたかいねと言っているようだった。
1/11/2025, 1:52:48 PM