紫雨

Open App

夜の街を静かに歩く私の背後に、黒い闇が近づいて来る。
その闇は単なる深い闇ではなく、何処か儚い人間の欲が詰め込まれた本能の闇だった。
場所は歌舞伎町。人間の欲が闇となって渦巻く魅惑の街。
私はそこで今日もお客と深く落ちていく。お客を深い、闇に引き込む。私の闇に、魅力の渦に落ちていく客を見るのが私の生きがいとなっているくだらない人生に色の名前をつけるのなら、絶対にMidnight Blueだろう。
私は、闇にすっと綺麗に消えていった。









8/22/2025, 4:48:10 PM