流れ星が流れている時に3度願い事を唱えると、その願い事が叶うと言われている。
その話を聞いたのはいつ頃だろう。
家族でキャンプに行った時か。幼馴染みと寝泊まりした時だったか。
そんな数ある俗信は、いつの間にか当たり前のように知っていて、きっかけは記憶の奥底に仕舞われて思い出すことは出来ない。
夜空を見上げて白い息を吐き出した。
目を瞑ってみると、瞼裏に無数の流れ星が流れていた。
もしも今、本当に輝く星が流れたら。
『もう一度家族に会えますように』
そう、叶うはずもない願いを託すのに。
ゆっくりと目を開く。
変わらずそこには動くことの無い星が輝いていた。
[流れ星に願いを]
4/25/2023, 11:43:47 AM