私の当たり前
わかりきった顔で
斜に構えて
問い詰められることに恐れながら
無難なことを口に出す
決して世間知らずではないと
思い知らせてやりたくて
傾聴の姿勢を取らせようと躍起になる
何も疑わなくて済んだような人を
つつきながら生きるしかなかったから。
「そうでもしないとやっていられない」
失望したような顔で、半笑いになる私を
そんな表情と声音が癖になった私を
いったい、誰が好くというのだろう。
きっと、天真爛漫に笑う人を
大多数は望んでいるのだ
裏のないまっすぐな感情を
伝え合える素直な関係を
みんな欲しがっているのだ
側から見たって、澄んだ愛情は美しく見えるのだから。
故に、大抵こんな顔をしている私は
世間のテンプレートには沿えない。
けれど、もし奇特な人がいて
湿った半生の私を気に入ってくれるなら
それが後世の、もう一つの定番になりますように。
7/9/2023, 10:11:37 AM