T.red-HERO.

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静かな夜明け

「十年ひと昔」というならフタ昔、ミ昔、
いやヨ昔ほど前の高校生の頃、友人と2人で
夜中におちあって週末夜遊びをした。自転車で。
毎週ではなかったが、隔週くらいで、約束して
遊んだ。親には無論内緒。いつも玄関ではなく
勉強部屋の窓から夜中1時半頃にこっそり脱出、
2時の待ち合わせ場所へ向かった。
ボクは先着して相棒を待つのが好きだった。
(よく変なところに隠れて驚かした)
ちなみにお互い彼女なんかいないので
ほぼ都合なんて気にした事もなかった(笑)

当時おそらく日本で有数の田舎だった(今も?)
のでチャリンコでプラプラする環境としては
とても向いていた。前カゴにラジカセをいれて
深夜ラジオ(鶴光のオールナイトニッポンなど)
やカセットの映画音楽特集などを聞きながら
くだらない話を延々と夜が明けるまでした。

と言っても
コンビニが多分、県下に数軒という時代。
夜中に開いている店など・・ない。
当時比較的遅くまで開いていたゲーセンですら
夜中にはもちろん閉まっていた。
夜はキチンと夜。まさに夜然としていた。

辺りはあくまで暗く、前方に何かの気配がすると
自転車から降りて少ししゃがむ・・
夜空の方が少し明るくて先のモノが確認できた。
今の時代、その状況説明すらし難い(笑)

ときに暗闇のなかの人影にびっくりしたり、
ヤンキーバイクの音に身を隠したり、
喉は渇いて腹はへって・・でも、ただただ
楽しかった・・そんなこんなでいつの間にか
静かな夜明けが来ていた。

いまボクにはスマホやコンビニ、
コンビニに寄る小銭くらいならある。
そして代わりに比較にならない貴重なモノを
なくしてしまったのだろう。

2/7/2025, 4:54:34 AM