Rara

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日常



学校に行く途中、道端に目玉と肉塊が生えている。持参したバールのようなもので叩き潰す。戦利品を拾う。しばらく歩くと巨大な酸スライムが道を溶かしていて、流石に勝ち目がないので迂回する。
化け物が街中に溢れだしてからどれくらい経ったのか…こんな光景はもはや、我々にとってごく普通の日常である。

戦いを挑まなければ危険はないのだが、なにしろ奴らは倒すと戦利品を落とすのだ。不用意に戦うなと大人達は言うが、ほとんどの金欠学生は通学の片手間に戦っている。俺もそのうちの1人だ。なんだかんだ目玉と肉塊と芋虫ぐらいなら簡単に倒せる。ちなみに、蝶と花にだけは挑まないほうがいい。

「おっ、今日も大漁じゃん。それ目玉のやつだろ?」
「そうそう。小さいけど肉塊もある」
「2体も狩れるなんて強運だな、こっちは蝶しかいなかった」
「どんまい」

友人と雑談を交わし、席につく。退屈な授業が始まる。

1日が終わったら戦利品を換金してもらおう。2000円ぐらい貰えたらいいけど、まぁ小さいし無理だろう。換金所までの道にもう一体ぐらいいたらいいな…

そんなことを考えながら居眠りしてしまい、教師に怒られる。友人に笑われた。お前だって居眠り常習犯だろ。

抜き打ちテスト赤点。窓の外の芋虫。増える戦利品。退屈な午後の授業。掃除。帰宅。換金所に寄るの忘れた。

いたっていつも通りの充実した日常である。

6/22/2024, 10:49:50 AM